メンテナンス項目の中でも、軽視されがちなオートマオイル(ATF)について解説!
交換時期・費用・注意点などもあわせて紹介しています。
今のハイエースに長く乗りたい人は、オートマオイルの定期的な交換は必須です。
「ハイエース部」では、壊れたら高額修理になる部分は「小まめにメンテナンスすること」を推奨しています。
オートマオイルは、無交換で良いと思っていませんか?
長く乗りたいと思っているなら、定期的な交換が必要です。
ネットにはたくさんの情報があふれていて、どれを参考にしたらいいのかわからないと思います。
ハイエースに乗っている人は、この記事を参考にしてみてください!
オートマオイルとは?
オートマチックトランスミッションに使われる専用オイルで、
正式には「オートマチック・トランスミッション・フルード」と呼びます。
正式名称を略して、「ATF」と呼ばれるのが一般的です。
オートマオイルは、
- エンジンの動力をタイヤへ伝達
- スムーズな変速をアシスト
- ギヤの潤滑
- トランスミッションの冷却・洗浄
など、とても重要な役割を担っています。
オートマオイルの油圧によって、エンジンの動力はトランスミッションを介してタイヤまで伝えられているんだよ!
オートマオイルの交換は必要?
結論から言うと、オートマオイルの交換は必要です。
オイルである以上、時間の経過・走行距離の増加とともに劣化していきます。
劣化とともにオイルの性能は落ちていくので、トランスミッションに対して悪影響を与えてしまうでしょう。
「オートマオイルは無交換で良い。」
という情報もありますが、これはいったい何万キロ走ることをイメージしていると思いますか?
一般的な自動車であれば、よく走っても15~20万キロで買い替えることになるでしょう。
これくらいの走行距離で車を手放す場合は、無交換で良いと思います。
最近のトランスミッションは、この程度の走行距離では壊れにくいからです。
しかし、ハイエースの場合はどうでしょう?
頑丈なことから30万キロ以上は余裕で目指せますが、そうなるとオートマオイルを無交換で乗り続けるには、故障のリスクが高くなってしまいます。
だからこそ、「今のハイエースになるべく長く乗りたい。」と思っている人は、定期的にオートマオイルを交換するべきです。
オートマオイルを交換しないとどうなるの?
オートマオイルを交換しないと、徐々に劣化が進んでいきます。
劣化したオートマオイルを使い続けたときに、発生しやすい症状は下記のとおりです。
- 変速ショックが大きくなる
- 加速がもたつく
- 燃費が悪化する
- トランスミッションが故障する
ひとつずつ解説していきます。
変速ショックが大きくなる
具体的には、「N」から「D」や「P」に入れた時にガクッと衝撃が伝わるようになります。
オートマオイルが劣化するとギヤチェンジがスムーズにできず、その時に振動が発生するのが原因です。
加速がもたつくようになる
本来であれば、
エンジンの回転数が上がるにつれてトランスミッションの回転数も比例して上がり、この回転数に応じてタイヤが回って加速するという仕組みです。
オートマオイルがキレイなときはアクセルを踏めば、踏んだだけ加速していきます。
しかし、オートマオイルが劣化することでトランスミッションは、滑りが発生しやすくなります。
滑りが発生すると、エンジンからの回転がトランスミッションに伝わりにくくなり、加速をスムーズにおこなうことができません。
ちなみに、トランスミッションの滑りとは、アクセルを踏んでも、車が思うように加速しなくなってしまうということを言います。
燃費が悪化する
さきほどオイルが劣化すると、トランスミッションに滑りが発生しやすくなることを説明しました。
燃費が悪化する原因も、この滑りに大きく関係しています。
たとえば、エンジンが「10」の力で回転すると、トランスミッションも「10」の力で回転するのが正常な状態だと仮定します。
このとき、タイヤにも「10」の力が伝わります。
正常な状態からオイルが少しずつ劣化して、トランスミッションに滑りが発生すると…
エンジンが「15」の力で回転しないと、トランスミッションは「10」の力で回転しなくなってしまいます。
このとき、タイヤにも「10」の力しか伝わりません。
なぜなら、オートマオイルの劣化することで、トランスミッションの滑りによる伝達ロスが発生してしまうからです。
加速するために、エンジンは頑張ってタイヤまで力を伝えようとしますが、途中のトランスミッションが滑ってしまうので思うように動力を伝達することができません。
だから、正常なときのように加速しようとすると、エンジンの回転数を余分に上げる必要があるので燃費の悪化につながるということです。
エンジンの回転数が上がれば、それだけ多くの燃料が必要だからね!
トランスミッションが故障する
個体差もありますが、オートマチックトランスミッションの寿命は15万キロが目安と言われています。
故障の原因は様々ですが、オートマオイルの劣化は、トランスミッションが故障する原因のひとつになると言えるでしょう。
滑りの症状がひどくなると、走行不能になることも考えられるよ!
オートマチックトランスミッションが故障して交換するとなれば、ハイエースの場合は、少なくとも50万円以上の高額な費用が必要になると思います。
オートマオイルの交換時期
ハイエースの場合は、「50,000㎞ごとの交換」がトヨタから推奨されています。
理想は20,000㎞ごとの交換ですが、メンテナンスにかかる費用も安くないので、メーカーの推奨時期で十分でしょう。
大切なのは定期的に交換することです。
僕は40,00㎞ごとに交換しているよ!
オートマオイルの交換にかかる費用
僕の場合は、オートマオイルの交換は、「トヨペット」に依頼しています。
オートマオイルを最適に交換するには専用のチェンジャーが必要なため、残念ながら自分での交換はできません。
少し見えにくいかもしれませんが、実際の明細です。
- オートマオイル9L 14,850円
- ガスケット2枚 374円
- 工賃 3,300円
合計で18,524円の支払いでした。
一般的には、20,000円前後が相場になると思います。
オートマオイルを交換するときの注意点
新車のときから長い間、オートマオイルを交換したことがない場合は、交換を避けた方がいいかもしれません。
劣化したオイルがトランスミッション内部を循環していると、汚れが溜まっている可能性が高くなります。
その理由は、オイルが劣化してギヤを潤滑する性能が低下すると、ギヤが摩耗しやすくなり金属粉などが増加するからです。
さらにトランスミッション内部を洗浄する性能が落ちたことで、汚れの洗浄が満足にできない状態になります。
オイルで洗浄できない汚れは、トランスミッション内部に固着してしまうでしょう。
この状態でオートマオイルを交換すると、洗浄能力が格段に良くなり、固着した金属粉などの汚れを剥がしてしまいます。
その結果、オイルの通路が汚れによって詰まってしまいます。
オイルの通路がふさがれると、
- 変速がうまくいかない
- エンジンガ停止する
- 発進・加速が遅くなる
などの症状を引き起こしてしまう可能性があり、最悪の場合は走行すらできなくなってしまうかもしれません。
無交換のまま、長距離を走っている場合は交換しない方が無難といえるでしょう。
10万キロ以上走行している車は、お店に相談してみるのがオススメだよ!走行距離が多くても交換する方法はあるからね!
さいごに
オートマオイルの劣化は、トランスミッションの滑りにつながりやすくなることを中心に解説しました。
覚えておいてほしいのは、トランスミッションが滑ってからオートマオイルを交換するのは手遅れだということ。
滑りが発生したからといって、オートマオイルを交換しても症状は改善しません。
基本的には、不良部品の交換もしくはトランスミッションの交換になるでしょう。
滑りの症状がオートマオイルの交換で改善するとしたら、「オートマオイルの量が少なかったときだけ」かなと思います。
車が新しいうちから、オートマオイルを定期的に交換することは本当に大切です。
とはいえ、オートマオイルの交換は、あくまで故障の確率を低くする手段であり壊れなくなるわけではありません。
定期的なメンテナンスをしていても、壊れるときは壊れます。
トランスミッションの寿命を長くするために、「念のためにオートマオイル交換する」という認識をもっておきましょう。
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